離乳食が終了していない1歳未満の乳児に黒糖を与えないでください。
黒糖にはボツリヌス菌が含まれています。大人と違って、乳児の未発達な腸内でボツリヌス菌が増殖して、芽胞による毒素で乳児ボツリヌス症になる危険性があるからです。
黒糖以外の甘味料にも、蜂蜜やコーン・シロップにもボツリヌス菌が含まれており、黒糖と同様に、乳児に与えないように注意する必要があります。
プリンはお好きですか?
プリンの基本の材料は、卵、ミルク、砂糖とシンプルで栄養価が高く、優しい甘さが幸せを感じさせてくれます。暑い時には、キリリと冷えたプリンが特においしく感じられます。
プリンを自分で作ると、好みのプリンの甘さやキャラメルのホロ苦さに調節でき、市販のプリンの半額程度の材料費でできます。また、この記事のレシピは、時間や手間を省く工夫しているので、簡単に作ることができます。
プリン作りの高効率化
一般のプリン作り
一般的にプリンは、次のような工程で作ります。
- ミルクをいったん温めてから、グラニュー糖をミルクに加えて溶かします。(というのは、グラニュー糖は精製された砂糖の結晶で、冷たいミルクには溶けにくいからです。)
- グラニュー糖を溶かした暖かいミルクを、今度は冷やします。(溶き卵と混ぜる際に、卵が熱で固まるのを防止するのが冷やす理由です。)
- 溶き卵を冷ました甘いミルクに加えた後、固めるために蒸して、その後に冷蔵庫で冷やします。
ここで、「あれっ」と不思議に思いませんでしたか?
なぜ、温めたり、冷やしたりを何回もするのだろう!?
最終的には卵成分を固めるために水蒸気で加熱するのですから、その前工程でグラニュー糖をミルクに溶かすためにミルクを温めたり、冷やしたりするのは労力と時間がかかって、非効率です。
そこで、次のようにプリン作りの工程を効率化してみました。
プリン作りの効率化
砂糖の種類を変更
本レシピでは、プリン液に入れるグラニュー糖の代わりに、低温の液体に溶けやすく、粒子がサラサラしている黒糖を使用します。
砂糖を液体に溶けやすいタイプに変更するだけで、砂糖を溶かすためにミルクを温める工程、また、液状に溶いた卵を加える前に冷やす工程を省略することができます。
これで、省略した工程に係る光熱費、労力、時間を節約してプリンを作れ、ミルクや黒糖の味や風味を生かすことができるのです。
ジャムのガラス瓶をプリン容器として再利用
この記事では、ジャムが入っていたフタつきガラス瓶を再利用して、黒糖プリンを早く、簡単に作れるレシピをご紹介します。
ジャムが入っていたガラス瓶とフタを使ってプリンを作ると、次のような長所があります
- プリン液を過熱する(蒸す)際に、フタをかぶせるだけで、水滴の侵入を防止でき、ラップを使う必要ありません。(ラップは「使い捨て」ですが、ジャムのガラス瓶とフタは、洗うことで何回も「再利用」できます。)
- 過熱でプリン液が固まった後の熱いあいだに、しっかりフタを閉めるので気密性が高くなり、ガラス瓶の熱で容器の内部が滅菌され、外から雑菌が侵入するのを防止できます。
- 黒糖プリンを食べる際にフタをねじって開封すると、ガラス瓶の内外の気圧差で「パカッ」という音がして、大人も子供も味だけでなく音でも楽しめます。
「だんちゃん流」黒糖プリンの作る準備
「だんちゃん流」黒糖プリンの材料
プリン本体用:
- ミルク: 1000cc (1リットル)
- 粉黒糖(サラサラしたタイプ):150g
- 卵: 6個
- 香料(バニラ): 適量
キャラメル用:
- グラニュー糖: 90グラム(プリン容器1個につき、10グラム)
- 水: 鍋内でグラニュー糖が浸る程度の少なめの水
- 熱湯: 30~40cc程度(キャラメルの粘度の調節用)
「バニラ」は、ラン科の植物です。
「バニラ・ビーンズ」は、植物である「バニラ」の「さや」と「種」を一緒に発酵・乾燥させたもので、高価で甘い香りをもっています。バニラの香りがする香料として使用する際には「さや」から小さな「種」をそぎ取って、ミルクなどに入れ、香料として使用されます。
「バニラ・オイル」と「バニラ・エッセンス」は、「バニラ・ビーンズ」の甘い香りの成分を抽出して、溶剤に溶かしたものです。「バニラ・オイル」や「バニラ・エッセンス」の中には人工香料を使ったものもあり、「バニラ・ビーンズ」や「バニラ・エクストラクト」に比べて安価です。溶剤が「油」の場合は「バニラ・オイル」、溶剤が「アルコール」の場合は「バニラ・エッセンス」と呼ばれ、「バニラ・オイル」は、香りの保持力や熱に強く、「バニラ・エッセンス」より高価な傾向があります。
「バニラ・エキストラクト」は、人工香料を使わず、酒などのアルコール類に「バニラ・ビーンズ」を漬け込んだもので、「バニラ・エッセンス」と区別されます。
「だんちゃん流」黒糖プリンを作るのに使用した機材
- プリンの容器:ジャムのガラス瓶(フタつき): 9個
- ボール容器(大と小): 2つ(大と小それぞれ1個)
鍋:キャラメル作成用
ロート:プリンの容器にプリン液を流し入れるため
- お玉:
スチーム・オーブン・レンジと付属トレイ:
- 茶こし:
- 卵のカラザ等の不純物を除いて、口当たりをより滑らかにするため
- ホイッパー(かくはん機)
スプーン(小)
キャラメル作成、および、プリン容器の底に入れるため
- 菜箸 (卵のかき混ぜ用)
「だんちゃん流」黒糖プリンの作り方
キャラメル作り工程
キャラメルは、砂糖が水に溶けて、熱で水分が蒸発して溶けきれなくなった糖が香ばしい香りを出す程度に少し焦げたものです。そのため、キャラメルには粘性があって、冷えると固くなります。
キャラメルは、プリン液を入れる前に、プリンの容器の底に入れる必要があります。暖かいうちにキャラメルを容器に入れると、室温の容器がキャラメルの熱を奪い、プリン液を入れても完全に混ざらず、キャラメル層とプリン層の2層にできるのです。
キャラメルを作るには、まず、鍋に分量のグラニュー糖を入れ、次にグラニュー糖が溶ける最低限と思われる量の水(グラニュー糖全体が水に浸る程度が目安)を入れます。水が少ない方がグラニュー糖がキャラメルになるまでの加熱時間が短くて済みます。
- グラニュー糖がなければ、黒糖や白糖をキャラメル作りに使用するのもOKです。
- グラニュー糖を使う理由は、純度が高くで透明で、加熱による糖の焦げ加減(キャラメルのビター加減)を色で判断しやすいからです。
加熱によってグラニュー糖が水に溶け、沸騰によって水分が蒸発して煮詰まると、泡が小さくなります。その後に、水分がほぼなくなると、色が琥珀色に変わり始めます。一旦、色が変わり始めると、糖が焦げて色が濃くなるのが急激に早くなるので、火力を弱めて好みに合うように調節しましょう。
例えば、
- 琥珀色のキャラメルだと、年齢にかかわらず多くの人が好む優しい甘さになります。
- 更に色が濃くなったキャラメルだと、エスプレッソ・コーヒーのように苦みが効いた大人の甘味になります。


キャラメルの色が自分の好みになる直前に火を止めて、沸騰したお湯を色づいた砂糖の入っている鍋に注ぎます。お湯を入れたときに、「ジュー」という音を立てて、水分が飛び跳ねるので、気を付けてくださいね。この時、スプーンなどの道具を使ってお湯と色づいた砂糖を混ぜるのではなく、鍋を軽くゆする程度にして。鍋の余熱でお湯と色づいた砂糖が混ざって、まだ、熱くて、少し「トロッ」とした状態になれば、キャラメルの出来上がりです。
出来上がったキャラメルは、冷めて硬くならない内に、スプーンで数回に分けですべてのプリンを入れる容器に均等に入れていきます。

プリン液作り工程
大きめのボール容器に分量のサラサラしている黒糖を入れ、それからミルクとバニラを入れて、かくはん機で泡を立てないように混ぜます。
サラサラしている黒糖を使う理由は、黒糖をミルクに溶かす目的で、ミルクを過熱しなくて済むからです。(サラサラした黒糖を使うことで、ミルクが冷たい状態でも黒糖をミルクに溶かすことができます。)
別の小さなボール容器に卵液を作ります。ボール容器に卵(全卵)6つを殻を割って入れ、泡を立てないように、菜箸をボールの底につけた状態で、卵を切るように左右に動かします。
黒糖が溶けたミルクに卵液を混ぜる際に、卵のカラザ(卵の黄身を両端から支えると乳白色の筋のようなもの)など舌触りに影響するものを「茶こし」で除去しながら加えていきます。
これで、プリン液の完成です。
加熱・冷却工程
キャラメルを入れてあるそれぞれのジャムの容器に、ロートを利用して、容器の壁に沿わせるようにして、プリン液を静かに均等に入れていきます。
プリン液を均等に入れ終わってから、ジャムのフタを載せます。この時点では、蒸す時にラップの代わりとしてフタは乗せているだけで、余分な水蒸気がプリンについて水っぽくなるのを防いでくれます。

多機能オーブン電子レンジの中には、水蒸気を出せるものがあり、そういったモデルには調理モードに「蒸しプリン」といったメニュー・モードがあります。これを使うと、ちょうどいい蒸し加減で20分程度、加熱してくれます。
20分程度の蒸しが終わったところで、プリンの入った容器を軽く振って表面の固まり具合を確認しましょう。固まり方が足りない場合は、蒸気で加熱する時間を追加・延長します。
- 本レシピでは冷たいミルクにサラサラした黒糖を溶かしているので、ミルクが室温になっている通常の作り方より加熱時間がかかる傾向があります。
プリンの加熱工程が終了すると、熱いうちにプリンの入ったジャムの瓶のフタを固く締めます。
こうすることで、、ジャム容器が冷えると、中が真空状態のようになり、雑菌が繁殖しにくくなります。また、プリンを食べる時にフタをねじって開けると、「パカッ」という音がして、味だけでなく、音も楽しむことができます。
ここまで、準備できれば、プリンが室温ぐらいに冷めてから、冷蔵庫で一晩、キリっと冷やしましょう。
お楽しみの時間(食べる)
プリンを食べる時の楽しみ
この記事では、サラサラした黒糖をプリン作りに使うことによって、卵液など中間生成物の温度を砂糖を溶かしたりするために上げ下げすることなしに、作る方法をご紹介しました。
また、プリンを蒸す時にラップを使わずに、プリンの容器としてジャムの空き瓶とそのフタを使うことで再利用でき、環境にやさしく、プリンを開ける時に「パカッ」という音も楽しめるプリンです。
- 甘めがお好きな方は練乳をかけて、ミルクの風味と甘さを追加するというのはいかがでしょうか。
是非、お試しください。
「大人のプリン」へのアップ・グレード(オプション)
プリンといえば、子供から大人まで幅広い年齢層に愛されていますが、特に、「大人のプリン」へのアップ・グレードの方法をご紹介します。
それは、お好きなフルーツ系のリキュールをプリン(おススメは、キャラメルがない部分)にかけることです。
こうすることによって、リキュールによるフルーツの「大人の香り」を楽しむことができます。