AdoptOpenJDKはEclipse Adoptiumに移行して、移行先のプロジェクトの1つであるEclipse TemurinからOpenJDK (Java Development Kit) がAdoptiumのウェブでリリースされるようになりました。
この記事では、「AdoptOpenJDK」の後継として「Adoptium OpenJDK」と称してご紹介します。
2023年10月17日のセキュリティ・アップデートで、 Javaの脆弱性が公表されました(Oracle Java SE Risk Matrix)。それにともない、脆弱性の対策を施した次のバージョンへの更新を推奨します。
- 8u381 (or older) => 8u391 (or newer)
- 11.0.20 (or older) => 11.0.21 (or newer)
- 17.0.8 (or older) => 17.0.9 (or newer)
- 21.0.0 (or older) => 21.0.1 (or newer)
また、2023年9月19日に長期サポート・バージョンであるJDK21がリリースされました。(短期サポート・バージョンのJDK20.0.2をはじめとするJDK20はサポートが終了しました。)
無償のJavaで脆弱性対策アップデートをお考えの方は、次で対応可能です。(2023年10月28日現在)
- Eclipse Temurin JDK (旧AdoptOpenJDK)
- 21.0.1
- 17.0.9
- 11.0.21
- 8u392
- OracleJDK
- 17.0.9
- 21.0.1
- OracleJRE
- 8u391
- OpenJDK
- 21.0.1
「Javaアップデート徹底解説」は7つの記事から構成されています。
- 「Javaアップデート徹底解説」①~③はJava全体の事項について、
- 「Javaアップデート徹底解説」④~⑦はJava個別の事項について、
解説しています。
- 【Javaアップデート徹底解説①】どのJavaをインストールすべきか?
- 【Javaアップデート徹底解説②】Javaとパソコンのシステム仕様整合確認
- 【Javaアップデート徹底解説③】Javaのインストール手順
- 【Javaアップデート徹底解説④】Adoptium OpenJDK (旧 AdoptOpenJDK)のインストール
- 【Javaアップデート徹底解説⑤】OpenJDKのインストール
- 【Javaアップデート徹底解説⑥】OracleJREのインストール
- 【Javaアップデート徹底解説⑦】OracleJDKのインストール手順
第4回のこの記事は、特にAdoptium OpenJDK (旧AdoptOpenJDK)について、インストーラーのダウンロードからインストール完了までをパソコンの操作手順にそって、詳しく説明しています。
この記事を参考にして、あなたのコンピューターでJavaのインストールやアップデートにお役立てください。
Adoptium OpenJDKとは
AdoptOpenJDKはアリババ・クラウド、Microsoft,、Red Hat、IBMなどがワーキング・グループ・メンバーであるEclipse Adoptiumに移管され、以下のようなサブ・プロジェクト
- Eclipse AQAvit:JDKのテストと品質保証
- Eclipse Temurin:JDKバイナリーの構築とリリース
- Eclipse Temurin Compliance:Java互換性キットなどの資料や市ソースへのアクセス管理
を介して、OpenJDKとしてリリースされました。
ここで提供されているOpenJDKはオープン・ソース・ライセンスであり、無償で商用にも使え、長期のコミュニティ・サポート・バージョンがあります。
Eclipse TemurinがリリースしたOpenJDKということで、「Eclipse Temurin JDK」とかそのバージョンを「Temurin21」、「Temurin17」、「Temurin11」、「Temurin8」などと呼ぶ場合があります。
Adoptium OpenJDKのインストール候補
Adoptium OpenJDKのJavaのリリースは「【Javaアップデート:徹底解説①】どのJavaをインストールすべきか?」のロードマップでご紹介した通りで、主な候補は次の通りです。(2023年10月現在)
- Adoptium OpenJDK21: Temurin21 (LTS: Long Term Support)
- Adoptium OpenJDK17: Temurin17 (LTS: Long Term Support)
- Adoptium OpenJDK11: Temurin11 (LTS: Long Term Support)
- Adoptium OpenJDK8: Temurin8 (LTS:Long Term Support)
この記事では、長期サポート対応しているAdoptium OpenJDK17 (windows: 64bit版) のインストールについて詳しく解説していきます。
なお、JDK8、JDK11, JDK21のご使用の場合、Adoptium OpenJDK17と同様の方法でインストールできます。(確認済み)
Adoptium OpenJDK17の利用法
Adoptium OpenJDK17.0.9のダウンロード
Adoptium: Temurinのリリース・ウェブページ(下線部をクリック)を開きます。

Adoptium OpenJDK17 (windows: 64bit版) のインストールする場合、各メニューの下矢印をクリックして、選択候補の中からそれぞれ次のように選択します。
- 「Version」で「17 – LTS」を選択
- 「Operation System」で「Windows」を選択
- 「Architecture」で「x64」を選択
- 「Package Type」で「JDK」を選択
AdoptOpenJDKの時には、JVM(Java Virtual Machine) についてHotSpotとOpenJ9の選択がありましたが、AdoptiumのOpenJDKダウンロード・ページにはJVMのオプション選択はなく、HotSpotのみになっています。(参考資料:Adoptium Supported Platforms)
- HotSpot:
- オラクル製と互換性を持ったOpenJDKコミュニティ・ベースのJVM
- OpenJ9:
- IBM製(IBM J9)と互換性を持ったEclipseコミュニティ・ベースのJVM
自動インストーラーを使用するので、「msi」の拡張子がついたファイルをダウンロードします。

「OpenJDK17U-jdk_x64_windows_hotspot_17.0.9_9.msi」がダウンロードされます。
Adoptium OpenJDK17.0.9のインストール
ダウンロードしたインストラー・ファイル
「OpenJDK17U-jdk_x64_windows_hotspot_17.0.9_9.msi」を
ファイル・エクスプローラー(「ダウンロード」という名前のフォルダに入っています)で見つけ、それをダブル・クリックします。
セットアップ画面が開くので、「次へ(N)」をクリック。

- 「Set JAVA_HOME variable」の前のアイコンをマウスで右クリックすることでメニューを出し、そこから「インストールしない」を「ローカル ハード ドライブにすべてインストール」に変更する
- この作業で「JAVA_HOME」の設定が自動化されます
- インストール内容を確認
- 「次へ(N)」をクリック


インストール準備完了の画面が出たら、「インストール(I)」をクリックする。

次のようなインストール完了の画面が出るまで待つ。

これで、Adoptium OpenJDK17.0.9のインストールが完了しました。
インストール完了後は「【Javaアップデート徹底解説③】Javaのインストール手順」 の「Javaの動作確認」を参考にして、Javaが動作することをご確認ください。
お疲れさまでした。
Adoptium OpenJDK21の利用法
Adoptium OpenJDK21.0.1のダウンロード
Adoptium OpenJDK21の場合は、Adoptium OpenJDK17と同様に次の手順でダウンロードできます。
Adoptium: Temurinのリリース・ウェブページ(下線部をクリック)を開きます。
Adoptium OpenJDK21 (windows: 64bit版) のインストールする場合、各メニューの下矢印をクリックして、選択候補の中からそれぞれ次のように選択します。
- 「Version」で「21- LTS」を選択
- 「Operation System」で「Windows」を選択
- 「Architecture」で「x64」を選択
- 「Package Type」で「JDK」を選択
「インストーラー」に対応している「.msi」をクリック。
「OpenJDK21U-jdk_x64_windows_hotspot_21.0.1_12.msi」がダウンロードされます。
Adoptium OpenJDK21.0.1のインストール
Adoptium OpenJDK17のインストールの章の
「OpenJDK17U-jdk_x64_windows_hotspot_17.0.9_9.msi」を
=>
「OpenJDK21U-jdk_x64_windows_hotspot_21.0.1_12.msi」
に置き換えると、Adoptium OpenJDK17と同様にAdoptium OpenJDK21がインストールできます。
Adoptium OpenJDK11の利用法
Adoptium OpenJDK11.0.21のダウンロード
Adoptium OpenJDK11の場合は、Adoptium OpenJDK17と同様に次の手順でダウンロードできます。
Adoptium: Temurinのリリース・ウェブページ(下線部をクリック)を開きます。
Adoptium OpenJDK11 (windows: 64bit版) のインストールする場合、各メニューの下矢印をクリックして、選択候補の中からそれぞれ次のように選択します。
- 「Version」で「11 – LTS」を選択
- 「Operation System」で「Windows」を選択
- 「Architecture」で「x64」を選択
- 「Package Type」で「JDK」を選択
「インストーラー」に対応している「.msi」をクリック。
「OpenJDK11U-jdk_x64_windows_hotspot_11.0.20.1_1.msi」がダウンロードされます。
Adoptium OpenJDK11.0.21のインストール
Adoptium OpenJDK17のインストールの章の
「OpenJDK17U-jdk_x64_windows_hotspot_17.0.9_9.msi」を
=>
「 OpenJDK11U-jdk_x64_windows_hotspot_11.0.21_9.msi」
に置き換えると、Adoptium OpenJDK17と同様にAdoptium OpenJDK11がインストールできます。
Adoptium OpenJDK8の利用法
Adoptium OpenJDK8u392のダウンロード
Adoptium OpenJDK8の場合、Adoptium OpenJDK17と同様に次の手順でダウンロードできます。
Adoptium: Temurinのリリース・ウェブページ(下線部をクリック)を開きます。
Adoptium OpenJDK8 (windows: 64bit版) のインストールする場合、各メニューの下矢印をクリックして、選択候補の中からそれぞれ次のように選択します。
- 「Version」で「8 – LTS」を選択
- 「Operation System」で「Windows」を選択
- 「Architecture」で「x64」を選択
- 「Package Type」で「JDK」を選択
「インストーラー」に対応している「.msi」をクリック。
「OpenJDK8U-jdk_x64_windows_hotspot_8u392b08.msi」がダウンロードされます。
Adoptium OpenJDK8u392のインストール
Adoptium OpenJDK17のインストールの章の
「OpenJDK17U-jdk_x64_windows_hotspot_17.0.9_9.msi」を
=>
「OpenJDK8U-jdk_x64_windows_hotspot_8u392b08.msi」
に置き換えると、Adoptium OpenJDK17と同様にAdoptium OpenJDK8がインストールできます。
まとめ
Adoptium OpenJDKは無償で商用利用も可能で、長期サポートのAdoptium OpenJDK17をはじめとして、JDK21、JDK11、JDK8とそろっています。
Adoptium OpenJDK21、JDK17、JDK11、JDK8バージョンのインストラー・ファイル
- 「OpenJDK11U-jdk_x64_windows_hotspot_11.0.20.1_1.msi」
- 「OpenJDK17U-jdk_x64_windows_hotspot_17.0.9_9.msi」
- 「OpenJDK11U-jdk_x64_windows_hotspot_11.0.21_9.msi」
- 「OpenJDK8U-jdk_x64_windows_hotspot_8u392b08.msi」
によるインストールは、Pathは初期設定されていて、インストラーのカスタム・セットアップで「Java_Home」の追加設定することで、自動インストールとすることができました。
自動インストールは手動インストールと比べて、Javaの削除や違うバージョンへの変更も容易で、保守維持管理が容易という長所があります。自動インストールに対応したインストーラーを優先的にご利用になることをおススメします。