快適なPageSpeedのWebサイトを構築する方法①

2羽の鴨のスピード競争 ウェブサイト運営の知恵

ネット・ビジネスのために個人でWebサイトを作る時、どのような方針でWebシステムを構築しますか?

当サイトは、Webサイト訪問者に快適なPageSpeedでリラックスして写真を楽しみながらブログ記事をご覧いただき、お役に立てる情報を提供することを心がけています。

快適なPageSpeedでリラックスできるWebサイトを実現するために、当サイトは次のシステムを利用しています。

  • レンタル・サーバー「Xserver」
  • Webコンテンツ管理システム「WordPress」とそのテーマ「Cocoon」

このシリーズ記事は、本サイトの経験に基づいて、どのような指針でWebサイトのシステム構成を決め、レンタル・サーバーを選んだのかを解説しています。

第一回のこの記事では、レンタル・サーバー仕様(ハードウェアとソフトウェアの両方)がPageSpeedに与える影響について解説して、レンタル・サーバーを選ぶ際の検討すべき注目点を提示しています。

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PageSpeedが快適なWebサイトとは?

当サイトに来てただくということは、訪問者の貴重な時間を頂戴することになるので、「このサイトはサクサク動いて快適!!」と気持ちよく当サイトの写真や記事をご覧いただきたいのです。

そのためには、インターネットブラウザの画面をクリックしたときの反応やWebサイトのページ表示スピードが速いことが大事です。

当サイトは、Webサイトのページ表示スピードの指標として、Googleの「PageSpeed Insights」というWebツールで評価して、継続的に「良好」であるよう改善に努めています。

ちょっとした豆知識(「PageSpeed Insights」とは?)

「PageSpeed Insights」は、Webサイトのページ表示速度を数値化して、次の3つにランク分けして、改善できるポイントを提案してくれるWebツールです。

  • 緑:「良好」
  • 黄:「改善が必要」
  • 赤:「不良」

良好なPageSpeedパーフォーマンスの実例

当サイトは「Google Search Console」の「ウェブに関する主な指標」テストに「パソコン」で合格して、PageSpeedが「良好」なサイトとして認識されています(2022年4月現在)。

次に示すのは、GoogleのWebツール「PageSpeed Insights」を使った当サイトのページ の表示スピードの実例で、「ウェブに関する主な指標」テストに合格していることを示しています。

「PageSpeed Insights」「ウェブに関する主な指標」テスト合格例
ちょっとした豆知識(「Google Search Console」とは?)

「Google Search Console」とはGoogleが提供する無料のWebサービスで、Webページの検索キイワードやデータをGoogleの検索エンジンのデータベースに登録(インデックス)している状況を理解して、Webサイトを最適化の機会を提供してくれます。

「Google Search Console」でエラーが検出された場合は、対策を組み込んで問題を解決することで、検索結果にあなたのWebサイトが上位表示されやすくなります。(検索エンジン最適化対策)

「Google Search Console」のエラーの具体例やその解決方法にご興味のある方は、次の記事をご覧ください。

PageSpeedが快適なWebサイトを実現するために

では、どうすればPageSpeedが快適なWebサイトを実現できるのでしょうか?

それは、Webサイト・オーナーが管理できる自由度の範囲で、できる限り反応速度の早いハードウェアとその性能を引き出すことができるように最適化されたソフトウェアを使うことです。

極端な例としては、最高のスペックのサーバー・ハードウェアを準備して、HTMLなどのプログラミング言語でWebサイトを構築する事です。

しかしながら、この方法はWebサイトの設計のために専門的なWeb技術の知識、コスト、時間が必要になります。現実的には、専門的なWeb技術の知識、使えるお金や時間の制限があるので、この方法だと実現のためのリスクが高くなってしまいます。

そこで、解決策としてレンタル・サーバーの利用です。

レンタル・サーバーを利用する理由

サーバーを自ら構築する場合、基本的なサーバーのハードウェア(例えば、パソコン、インターネット通信関連の周辺機器など)、それに、OS(オペレーション・システム)やアプリケーション・ソフトウェア等が必要で、10万円以上のコストがかかります。

ちょっとした豆知識(サーバーの減価償却の考え方)

サーバーで使われるプロセッサやメモリの技術は毎年向上しており、コストは下がる傾向にあります。そのスピードは、「ムーアの法則」として「集積回路上のトランジスタ数は1.5年で2倍」と表現されるように、半導体のパフォーマンスは年に数十パーセントの進化をとげています。そのため、サーバーを立ち上げても、ハードウェアの入れ替えを定期的にしないとその機能や性能は2~3年で競争力を失います。つまり、減価償却期間は2~3年と考えるなければなりません。

一方、共用サーバーを契約してレンタルする場合、月額1,000円程度が目安となり、概算で年額1万2千円が運用コストがかかります。

当サイトの場合、自らサーバーを立ち上げて2~3年で10万円を減価償却するのとレンタル・サーバーに年額1万2千円支払うのでは、初期投資を低く抑えられるレンタル・サーバーの方が出費や時間を節約できて経済的と判断しました。

ブログ・サービスの長所と短所

ブログ・サービスの長所

「はてなブログ」、「FC2ブログ」や「アメーバ・ブログ(アメブロ)」といったブログ・サービスは、Web技術や維持管理の知識、経験、コストなしでブログをすぐに書き始めることができるという長所があります。ブログを始めると、早い段階で文章を書く技術を向上させるのに役立ちます。

ブログ・サービスの短所

一方、「Google Adsense」をはじめとするネット・ビジネスに重点を置いている人にとっては、Webサイトに独自ドメインの使用などいくつかの要求事項があり、ブログ・サービス利用時のサービス・プロバイダーの「ルール」や「取り決め」が障壁となる場合があります。

例えば、「Google Search Console」でWebサイトのエラーが検出されても、その中にはサービス・プロバイダーの権限がないとできない対策があり、機能や変更の自由度が不足する場合があるのです。

注釈

無料ブログ・サービスでもオプション・サービス(有料)を追加することで、独自ドメインや必要機能の利用ができて、Google Adsenseの要求事項を満たして、Google Adsenseの審査に合格できる場合もあります。

このためWebサイト管理者として機能の変更や追加ができて、より自由度が高い方法が必要なのです。

そこで、解決策として「WordPress」の利用です。

「WordPress」を利用する理由

「WordPress」はオープン・ソース(無料)のコンテンツ管理システムで、WordPress用の「テーマ」・「プラグイン」(当Webサイトでは無料のみ使用)を使うことで、Webテクノロジーの知識が十分でなくても、Webサイト管理者として、意図に合ったカスタマイズができ、自由度が広いと言えます。

当サイトでは、自由度を確保しながら専門的なWeb技術の知識、時間やコストの課題を解決するために、下記のメリットとデメリットのバランスを考えて「WordPress」を使うことにしました。

「WordPress」を使うメリットは
  • 「WordPress」はオープン・プラットフォーム(無料)
  • 「WordPress」はコンテンツ管理システムで世界No.1
    • (マーケット・シェア:38.1%, 2020年8月現在、引用:W3Techs
  • インターネット上で参考事例や情報が豊富
  • WordPress用の「テーマ」や「プラグイン」を使用することで、専門的なWebプログラミングの知識が十分なくても、機能の追加・変更が可能
  • アップデートによる機能や性能改善が継続的に行われている
「WordPress」を使うデメリットは
  • 「WordPress」は多くの人が利用しているので、他と同じようなサイトにならないために差別化しなければならない。
  • オープン・プラットフォームの性格上、ハッカーの標的にされやすく、セキュリティ対策が必要がある
  • ソフトウェアの保守やアップデートなど管理する必要がある 

「WordPress」がレンタル・サーバーの選択に及ぼす影響

「WordPress」で作られたWebサイトは、Webページごとの表示データがあるわけではなく、画像やテキストなどのコンテンツがデータベース管理システムによってコンテンツの種類ごとに保存され、サイト訪問者が「Chrome」のようなインターネット・ブラウザで特定のページ表示を要求した時に、そのリクエストごとにページのデータを再構築して表示する動的なシステムです。

したがって、Webサイトの表示スピードは、サーバーのプロセッサの計算速度、メモリ読み込み速度、ネットワーク通信速度などに依存します。

「WordPress」のシステムはプログラミング言語「PHP」とデータベース管理システム「MySQL」または「MariaDB」を構成要素として利用しています。

そのため、利用される「PHP」や「MySQL」/「MariaDB」のソフトウェアのバージョンによって、その生成コードがサーバーのハードウェア(主にプロセッサやメモリ)にどの程度最適化されているかによってページ表示速度が変わります。

一般的に、新しいバージョンのハードウェアやソフトウェアの方が最適化の効率が良くなっていて、それに伴い反応速度とページ表示速度が速くなります。

レンタル・サーバー選択のための仕様比較

顧客に提供されるプロセッサやメモリ、「PHP」や「MySQL」/「MariaDB」などのハードウェアやソフトウェアのアップグレード状況は、レンタル・サーバー会社の方針、保守管理のリソース、顧客へのサービスの内容や価格によって異なります。

  A社 B社 C社

最新

バージョン

保守

バージョン

プロセッサ

48コア /

96スレッド

28コア /

56スレッド

36コア /

72スレッド

メモリ 512GB 384GB 256GB
PHP 7.4 / 7.3 / 7.2 / 7.1 / 7.0 7.4 / 7.3 / 7.2/ 7.1 / 7.0 7.3 / 7.2 / 7.1 / 7.0 8.1.4 8.0 / 7.4
MySQL 5.7 8.0.28 5.7
MariaDB 10.2 10.3 / 10.2 /10.1 /10.0 10.7.3 10.6 / 10.5 / 10.4 /10.3 /10.2
レンタル・サーバー会社によるWordPress動作環境の比較例(2020年8月現在)

上記の表の例では、A社のプロセッサとメモリが他社と比べて最もハイ・スペックなものを使用されているのがわかります。一方、ソフトウェアではA社B社でPHPのバージョンが7.4が提供されていますが、C社のPHPのバージョンは7.3にとどまっています。

データベース管理システムに関しは、「WordPress」の仕様では「MySQL」と「MariaDB」のどちらでも動作しますが、レンタル・サーバー会社によって主力にしているデータベース管理システムが違っているのがわかります。

こういったサーバーの構成要素の違いが要因となって、レンタル・サーバーの選択がWebサイトの表示スピードの違いとなるのです。

ちょっとした豆知識(「MySQL」と「MariaDB」の歴史的背景と今後)

「MariaDB」は「MySQL」から派生したオープンソースのデータ管理システムです。オラクルによるサン・マイクロシステムズの買収で「MySQL」がオラクルの管理下になったのを機に、「MySQL」オリジナル・コードの開発者が「MariaDB」を立ち上げました。

当初、「MySQL」バージョン5.1~5.5と互換性がある「MariaDB」バージョン5.1~5.5をリリースしていましたが、「MySQL」バージョン5.6以降は「MariaDB」独自機能を追加して、「MariaDB」バージョン10をはじめとする新しいバージョン番号でリリースされています。

「MySQL」と「MariaDB」のリリースのサイクルとライフタイムに次の表のような差異があり、今後のデータベース管理システムの動向がレンタル・サーバーの選択に影響を及ぼす可能性があります。

リリースのサイクルリリースのライフタイム
MySQL2~3年8年
MariaDB1~2年5年(安定リリース後)
「MySQL」と「MariaDB」のリリースのサイクルとライフタイムの比較

「MySQL」と「MariaDB」の詳細をロードマップで理解したい方は、次の記事をご覧ください。

まとめ

「WordPress」を使ったWebサイトを構築するときは、快適なPageSpeedをWeb訪問者に提供するため、レンタル・サーバーのプロセッサやメモリといったハードウェア仕様だけでなく、プログラミング言語の「PHP」やデータベース管理システムの「MySQL」/「MariaDB」といったソフトウェアのバージョンのサポート状況も比較・検討しましょう。

特に、データベース管理システムの「MySQL」と「MariaDB」の歴史的背景や今後のロードマップに注意を払い、そのトレンドに沿って、あなたの予算内で最も価値があるレンタル・サーバーを選択しましょう。

第2回の記事では、システム構成の具体例を示して、第1回の記事内容よりさらに一歩踏み込んで「レンタル・サーバー」の「Xserver」と「WordPress」用テーマ「Cocoon」を利用する理由を解説していますので、是非、ご覧ください。