【WordPressアップデート徹底解説②】更新の長期ビジョン

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「WordPressアップデート徹底解説」は4つの記事から構成されています。

第2回のこの記事では、WordPressの推奨環境を基にして、WordPressのシステム構成要素のロードマップを使った過去、現在、未来の長期的なビジョンで、現在あるべきバージョンの姿を見定め、どのようなサイクルでアップデートが発生するかを予測します。

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WordPressのシステム推奨環境の確認

一般に、ソフトウェアには動作を検証するために標準環境が定められています。

WordPress5.7の場合、要件となる推奨環境は次のように規定されています。

WordPress5.6の推奨環境
  • PHPバージョン7.4以上
  • MySQLバージョン5.6以上、または、MariaDBバージョン10.1以上
  • https対応
ちょっとした豆知識 (httpsサポートとは)

WordPressは、プログラミング言語「PHP」とリレーショナル・データベース管理システムである「MySQL」、または、「MariaDB」で構成されており、使用するサーバー環境に依存します。

「PHP」、「MySQL」/「MariaDB」で現在使用中のバージョンと変更対応可能なバージョンは、ご利用のレンタル・サーバー会社、または、サーバー管理者に確認する必要があります。

次のテーブルは、各WordPressのバージョンの環境仕様をまとめたものです。

WordPressPHPMySQLorMariaDB
VersionVersionVersion
RequirementsOperableRequirements
MinMaxMin Min
5.5 – 5.77.45.6or10.1
5.3 – 5.47.37.45.6or10.1
5.27.35.6or10.1
5.0 – 5.17.35.6or10.0
4.9.5 – 4.9.127.25.6or10.0

 

この記事で次に説明しているPHP、MySQL、MariaDBのロードマップと照らし合わせて、それぞれのバージョンのリリース間隔やライフ・タイム(寿命)を考慮して、推奨環境に適合させることをおススメします。

WordPressのシステム構成要素のロードマップ

WordPressのシステム構成要素のロードマップの意義

WordPressの主要構成要素であるプログラミング言語(「PHP」)やデータベース管理システム(「MySQL」、または、「MariaDB」)のロードマップを理解すると、それぞれのバージョンの成熟度や切替のタイミングが予測できます。

ちょっとした豆知識

WordPressを使ってブログサイト運営するのにレンタル・サーバーをご利用の場合、Wordpressの主要構成要素のロードマップを知ることにより、どのバージョンのプログラミング言語やデータベース管理システムが利用できる体制にしているかでレンタル・サーバー会社の将来のリスク管理能力が理解でき、レンタル・サーバーを選ぶ際に考慮すべき情報の1つになります。

特に、リレーショナル・データベース管理システムは、MySQLとMariaDBとの市場競争力の変化などで、レンタル・サーバー会社がどちらのデータベース管理システム、どのバージョンをサポートしているかで、今後、レンタル・サーバーの選択を検討しましょう。

PHPのロードマップ

現在(2021年02月)のPHPのロードマップは次の通りです。(PHPウェブページ参照

PHPバージョン

リリース日一般サポート最終日セキュリティ・サポート最終日

7.3

2018年12月06日2020年12月06日2021年12月06日

7.4

2019年11月28日2021年11月28日2022年11月28日

8.0

2020年11月262022年11月262023年11月26
PHPのロードマップ(2021年02月現在)
PHPのロードマップ(2021年02月現在)

PHPの新しいバージョンが毎年、11月または12月にリリースされています。一つのバージョンの寿命が3年で、その内、初めの2年は報告されたバグ(不具合)の解決やセキュリティ対応のサポートで、後の1年はセキュリティ対応のみのサポートになります。したがって、1~2年ごとのメジャー・アップデートが必要になります。

PHPのおススメ・バージョンは?

2021年02月現在のおススメはPHP7.4です。

  • PHP8.0への移行を念頭に置いて、サーバーを検討し始めましょう。

おススメの理由は次のようなPHPバージョン別のマーケット・シェアを示すWordPressの統計情報、および、アーリー・アダプターの成熟度の観点からです。(詳細は第1回の記事の解説をご参照ください。)

PHPバージョンのシェア状況(2021年02月現在)
PHPバージョンのシェア状況(2021年02月現在)

MySQLのロードマップ

2021年02月現在のMySQLのロードマップは次の通りです。

MySQLのロードマップ(2021年02月現在)
MySQLのロードマップ(2021年02月現在)

MySQLの新しいバージョンが2~3年間隔でリリースされ、1つのバージョンの寿命が8年であることから、3~4年ごとのメジャー・アップデートが必要になります。

2021年02月現在のおススメのリレーショナル・データ管理システムはMySQL5.7です。

理由は、次のようなMySQLとMariaDBのバージョン別のマーケット・シェアを示すWordPressの統計情報、および、成熟度の観点からです。(詳細は第1回の記事をご覧ください。)

MySQL/MariaDBバージョンのシェア状況(2021年02月現在)
MySQL/MariaDBバージョンのシェア状況(2021年02月現在)

MariaDBのロードマップ

2021年02月現在のMariaDBのロードマップは次のようになっています。

MariaDBのロードマップ(2021年02月現在)
MariaDBのロードマップ(2021年02月現在)

MariaDBの新しいバージョンが1~2年の間隔でリリースされ、1つのバージョンのライフ・タイム(寿命)は安定リリース後5年であることから、2~3年ごとのメジャー・アップデートが必要になります。

2020年06月現在のおススメはMariaDBの中ではMariaDB10.3です。

MySQLとの互換性に配慮していたMariabDB5.1~5.5と異なり、MariaDB10.0より独自機能を組み込み、MySQLとの差別化が図られています。また、MySQLと比べて、リリース間隔、各バージョンのライフ・サイクルが速いので、新しい機能が短期間にペースで組み込まれ、市場の優位性が変化する可能性があります。

WordPress更新のためのPHPとMySQLのバージョンとアップデート・サイクル(まとめ)

WordPressは、プログラミング言語「PHP」とリレーショナル・データベース管理システムである「MySQL」、または、「MariaDB」で構成されていて、2021年02月現在、WordPress5.6でおススメする推奨環境とメジャー・アップデート・サイクルの見込みは次の通り。

  • PHP7.4
    • 将来的に1~2年ごとのメジャー・アップデートが必要
  • MySQL5.7
    • 将来的に3~4年ごとのメジャー・アップデートが必要
備考

MariaDBは2~3年ごとのメジャー・アップデートが必要で、サイクル・スピードがMySQLの3~4年より速いので、将来的に市場優位性の変化が起こる可能性があります。

レンタル・サーバー契約を検討するときは、PHP、MySQL/MariaDBの最新ロードマップを確認して、レンタル・サーバー会社の各バージョンのサポート状況を理解してから採用決定されることをおススメします。

これで、WordPressを更新する時期とロードマップを基にしてシステム構成要素をどのバージョンにすべきかが明確になったので、次の第3回目の記事は、「WordPress更新のための確認と準備」について解説します。