Javaを必要とするアプリケーション、または、初めてのJavaプログラム開発で、どのJavaをインストールしたらいいのかかわからないとお悩みのあなた。
以前からJavaを使っていたが、無償サポートが終わってしまい、古いバージョンのJavaからアップデートできず、セキュリティの脆弱性のリスクにお悩みのあなた。
この記事はそんなあなたのために、Javaのロードマップに基づいて長期的な視点で徹底比較し、どのJavaにアップデートしたらいいのかおススメを解説しています。
「Javaアップデート徹底解説」は7つの記事から構成されています。
- 【Javaアップデート徹底解説】の①~③はJava共通の事項
- 【Javaアップデート徹底解説】の④~⑦はJava個別の事項
について解説しています。
第一回のこの記事では、オラクルによるJavaのライセンス状況、主要なJavaのロードマップのご紹介、Javaの比較表でそれぞれの違い、Javaの全体像を理解して、あなたに合ったJavaを見つけるのにお役に立てるように配慮いたしました。
さあ、この記事を参考にして、あなたのニーズあったJavaを見つけ、アップデートしましょう。
OracleJDKのライセンスの状況
最初に、オラクルのJavaに関するライセンス状況を確認しておきましょう。
2021年9月14日にライセンスに関するプレス・リリースがオラクルから発表されました。この発表でJDK 17のリリースと同時に「Oracle No-Fee Terms and Conditions 」(以下、「NFTC」と呼ぶ)いう新しいライセンスが公表されました。(詳細は下線部をクリックしてリンク先の原文:英語を参照)
- 過去に、オラクル(合併吸収以前はサン・マイクロシステムズ)はJavaを無償提供していまいしたが、 2019年4月16日以降の長期サポート・リリースのOracle JDK (Java Development Kit)の商用使用にライセンス費用が必要としていました。
2021年9月14日のプレスリリースの発表では、これが「Oracle JDK 17と将来のJDKリリースは、次のLTS(Long-Term Support)リリースの1年後まで、無料で使用できるライセンス(NFTC)下で提供する」としています。
Javaのロードマップ
Javaは提供元やバージョンにより、いくつかの選択肢があります。
インストールするJavaの候補を絞り込むために、Javaの全体像をロードマップで把握しましょう。
OracleによるJavaのロードマップ
オラクルによるJDK(Java Development Kit)のリリースは次の通り。
- 有償のOracleJDKは
- 長期サポート・リリース版:3年ごと (例:OracleJDK8、OracleJDK11)
- 半年ごとのリリース 版:半年ごと (例:OracleJDK20)
- 無償ののOracleJDKは
- 長期サポート・リリース版:3年ごと (例:OracleJDK17以降のLTSリリース)
- 無償のOpenJDKは
- 半年ごとのリリース 版:半年ごと (例:OpenJDK21)
Java開発元であるオラクルのJavaロードマップは次のようになっています。(2023年10月現在)
- 参照:Oracle Java SE サポート・ロードマップ(英語サイト)
Oracleによるクリティカル・パッチ・アップデート
セキュリティの脆弱性に対処するため、OracleはJavaをクリティカル・パッチ・アップデート(Critical Patch Update)として更新するスケジュールをウェブで公表しています。
最新のクリティカル・パッチ・アップデートは2024年10月15日で、それ以降の公表されているスケジュールは次のようになっています。
それぞれの予定日以降、Oracleをはじめとして、Javaのアップデートがありますので、最新の情報を確認しましょう。
Adoptium OpenJDK (旧AdoptOpenJDK)のロードマップ
Eclipse Adoptiumによるオープン・ソースで、無償で商用利用可能なAdoptium OpenJDK (Eclipse Temurin Java SE)のロードマップは次の通りです。 AdoptOpenJDKは Eclipse Adoptiumワーキング・グループの1プロジェクトであるEclipse Temurinに引き継がれ、OpenJDKとしてリリースされました。
- 長期サポート版:Java21 (LTS)、Java17 (LTS)、Java11 (LTS)、Java8 (LTS)
- 半年ごとのリリース版:Java22
Javaの比較結果
Javaの代表的なリリース・バージョンに関して、サポート終了時期、サポート費用、保守維持管理の簡便さという点で、Javaの比較リストにまとめてみました。(2024年10月現在)
おススメのJavaは?
個人ビジネスでJavaを商用利用する場合、費用、セキュリティ、維持管理の観点で、アップデートでおススメできるJavaは次の通り(2024年10月 現在)。
- Eclipse Temurin JDK21.0.5: LTS(長期サポート、無償)
まとめ
この記事では、Oracle JDKのライセンス内容の変化でJavaの選択肢の検討が必要な方がおられる背景を説明し、各種のJavaのロードマップ、および、使用経験からJavaの比較結果を提示して、その中から、、特定の条件でおススメのJavaを提案いたしました。
- OracleJDKのライセンスの状況
- Javaのロードマップ
- Javaの比較結果
- おススメのJava
バージョン・ナンバーが大きいJavaには、より新しい機能が入っているという長所があります。
無償の長期サポートのバージョンには、コミュニティを通して多くのユーザーのフィードバックが共有されており、ユーザーがよく使う機能の完成度が高いという長所があります。
Javaのロードマップと比較結果をご参考に、あなたのニーズにあったJavaをお選びください。
お金や労力をかけず、プログラミング言語Javaで開発されたアプリケーションが動作したり、Javaでソフトウェア開発ができるパソコン環境を整えたり、一度設定した環境をできる限り長く使いたいものですね。